肝臓の構造と消化における肝機能

肝臓の構造

肝臓は、成人男性で約1.2kg、女性で約1kgもある人体最大の臓器です。多量の血液を含み、高温で暗紫色をしています。

肝臓は心臓や胃腸のようには動かず、音も出さずに働くことに加え、痛みなどの自覚症状を感じにくいことから「沈黙の臓器」とも呼ばれたり、働きが多岐にわたることから「化学工場」にも例えられるほどです。

また、肝臓は手術などで切除しても元の大きさに戻るほど、再生能力に優れることでも知られています。

消化・吸収・排出を支える肝機能

消化・吸収・排出を支える肝臓の働きは主に以下の内容に分類できます。

●分解・合成 小腸で吸収された栄養素を、体内で利用されやすいように分解・合成する。この化学変化を代謝と呼び、肝機能の中でも特に重要です。

●貯蔵 肝臓は代謝によってつくられた栄養素を一時的に蓄え、必要に応じて血液中に送り出します。

●解毒 肝臓は体内で発生する有害な物質を分解し、無毒化して排出します。

●胆汁生産 肝臓は腸内の消化・吸収を助ける胆汁をつくります。産生された胆汁はいったん胆のうに蓄えられてから十二指腸へ送られます。

肝臓